バイナリーオプションはFXや株と同様に金融投資の一つとして考えられているものですが、上がるか下がるかを予想するという性質から、ギャンブルと思われているふしがあるのも事実です。
今回はバイナリーオプションが投資であってギャンブルではないその理由について見ていきたいと思います。
目次
そもそもバイナリーオプションとは?
バイナリーオプションは、為替取引の一種で、通貨為替レートが一定時間後、指定の値よりも「上がる」か「下がる」かを予測する取引のことを指します。その予測が当たれば支払い金額に加えて報酬を得ることでき、外れた場合には支払った金額が損失となる仕組みです。基本的には選択肢が「上がる」「下がる」の二者択一であることから、初めての方でも取り組みやすい投資と言えるかもしれません。
バイナリーオプションが日本に進出してきたのは2009年と言われています。FXも同じぐらいに日本で人気が出てきましたが、FXよりも取引方法が明確で資金効率が高いということから、バイナリーオプションにも目を向けられるようになったようです。しかし、バイナリーオプションは2013年に、射幸性をあおる投資であると危惧した金融庁によって、日本国内業者へ取引時間の規制などを課すといった処置が行われました。それにより国内バイナリーオプションにおいては超短期取引ができなくなるなど、課題が生まれました。そこで、海外のバイナリーオプション業者が次々と登場、日本人投資家獲得に向けた活動が頻繁に行われるようになりました。
バイナリーオプションとFXは何が違う?
バイナリーオプションは、通貨価値が上がるか下がるかを予想するものですが、FXの場合には上がったか下がったかの値動きを利用してその差益を獲得する投資形態です。そのためFXの場合にはいくら儲かるか損失を出すかは利確した段階までわかりませんが、バイナリーオプションの場合には、判定が行われる前段階で投資金額および利益額・損失額がわかっていることから、安心して取引できる点が大きな違いとなっています。
バイナリーオプションは合法である
バイナリーオプションは金融商取引法の第2条「デリバティブ取引」に該当します。デリバティブ取引とは、通貨や金利、債権や株式などの原資産から派生した取引で、原資産の価格に依存して理論価格が決定される金融派生商品の取引となっています。このため、バイナリーオプションはギャンブルではなく、れっきとした金融商品の取引であることは明白です。
ちなみに、総務省が発表している「宝くじ・公営競技・サッカーくじの実効還元率」などを参照すると、宝くじの払い戻し率は45.7%、サッカーくじは49.6%、競艇・オートレースは74.8%、競輪は75.0%、競馬は74.1%となっています。オンラインカジノは95%前後、パチンコは85%前後と言われています。
バイナリーオプションに関してはおおよそ90%前後の還元率と言われていますので、宝くじやサッカーくじと比べると倍ほどの還元率があることがわかります。
バイナリーオプションの取引フロー
バイナリーオプションの取引は、以下のように取引スタートから支払い完了までが5ステップで完了します。
ステップ1. 通貨ペア選択
最初に値動きしているあらゆる通貨のなかから、取引する通貨ペアを選択します。ここで選ぶことができる通貨ペアは「米ドル/円」「ユーロ/円」「ポンド/円」などさまざまです。どの通貨ペアを選ぶべきか悩んでしまうといった場合には、クロス円の中でも流通量が多くなじみの深い「米ドル/円(USD/JPY)」が良いでしょう。
ステップ2. 一定時間後の為替レートを選択
その次に先ほど選択した通貨ペアが一定時間経過したあと「上がる」か「下がる」かを予想していきます。取引を手短に終了させたい場合には、判定時間を1分や5分にすると良いでしょう。一方、じっくり分析して結論を出したいといった場合には、30分や1時間なども選択できるため、自身の好みに合わせて取引可能です。
ステップ3. チケット購入
通貨ペアを決めて値動きの予測を行ったら「上がる」か「下がる」のチケット購入を行います。自由に金額設定は可能です。チケット購入をもって取引開始となります。
ステップ4. 取引結果確定
チケット購入後、判定時刻が経過すると取引結果が出ます。先に決定した「上がる」「下がる」の値動きが当たったかどうかが自動判定されます。
ステップ5. 支払い
一連の中で値動きの予測が当たれば、チケット購入金額に加えて報酬を受け取ることができます。一方外れた場合には報酬はなくチケットの購入金額を失って取引終了となります。
バイナリーオプションは、チケットを購入したら取引終了まで何もすることはありません。取引結果も自動判定されるものとなっています。投資金額や判定時間も自由に選択できるため、自身の投資スタイルに合わせた取引が可能です。
バイナリーオプションをギャンブル投資にしないためには
バイナリーオプションはギャンブルではない、とわかっていても二者択一の投資であることから、ギャンブル的な感覚でトライしてしまう人も多くいると思います。そこで、ここからはバイナリーオプションでギャンブル投資をしないために何をすべきかについて見ていきたいと思います。
資金管理をしっかりと行う
これはバイナリーオプションに限らず、株やFXなどにおいても同様ですが、資金管理はとても重要です。資金が底を着かなければ投資は負けることがありません。倍プッシュと呼ばれるマーチンゲール法などを活用して、負けたら掛け金を倍に増やしてそのまま再投資する、といったことを常に行っていたら、資金はなくなってしまいます。バイナリーオプションで利益を出したら、全額再投資に回すということはせず、利益の一部をキープしておくことが投資の基本です。また、生活資金まで投資に回すようなことは行わないこと。投資は余剰資金で行うのが鉄則です。
相場分析など投資に関する勉強を行う
バイナリーオプションをギャンブルだと勘違いする人が多いのは、投資の勉強もせずに簡単に二者択一に勝てば利益が出ると考えるからに他なりません。しかしバイナリーオプションはそんなに簡単なものではありません。利益を出し続けて資産形成していくためには、為替相場をきちんと分析して、今後の予測を立てることができなければなりませんし、先ほどお伝えした、資金管理も徹底しなければなりません。有り金を突っ込んだら倍になった、というようなギャンブル投資を考えているのであれば、バイナリーオプションはおすすめできません。
やめ時を見極める
ギャンブルがなぜ勝つことが難しいか、それはやめ時がわからないからです。勝ち続ければ「次も勝てるかも」と思うでしょうし、負ければ「次で取り返してやる」となるのがギャンブルです。そんな要素を持っているのがバイナリーオプションなので、バイナリーオプションとギャンブルが混在してしまう人もいるのでしょう。確かに連勝することが利益を出すのには重要ですが、何連勝もできるものではありません。3連勝をするのですら12.5%程度の確率しかないのですから、やめるポイントをしっかりと設定し、ギャンブルトレードに走らないように自己制御するようにしましょう。