今回は国内FX業者・海外FX業者の安全性を判断する材料の一つである「金融ライセンス」について解説していきます。
目次
金融ライセンスとは?
FX等の投資事業を展開するためには、許可証を獲得しなければなりません。その事業許可証を「金融ライセンス」と呼びます。
主に
- 運営状態
- 入金や出金について
- トレード環境
- ユーザーの資産をどう管理しているか?
- サポート体制はどうか?
などついて審査がなされて、合格となれば金融ライセンスが発行されます。
「金融ライセンスを持っている」だけでも、持っていないごく一部のFX業者に比べると信頼性は高いです。
しかし、「どの地域の金融ライセンスなのか」によって、規制・監視・審査などの厳しさが異なります。なかには、「運営状態を毎年厳密に報告する必要がある金融ライセンス」もあれば「ほぼ登録料だけ支払えば発行される金融ライセンス」も存在します。
つまり、
「金融ライセンスを持っていない国内FX業者・海外FX業者」は論外
「どの金融ライセンスを持っているか」も見る必要がある
ということです。
特に信頼性の高いFXの金融ライセンスとは?
では、特に信頼性の高い金融ライセンスを3つ紹介していきます。
- イギリス
- キプロス
- ニュージーランド
1.イギリス
イギリスの監視機関は「FCA」であり、FCAが発行した金融ライセンス持つFX業者の監視や監督をしています。
ちなみに、世界のどの地域にあるFX業者であってもFCAの金融ライセンスを持つことができます。
FCAの特徴を簡単に述べると、おそらく審査が世界一厳しい金融ライセンスということが挙げられます。FCAは外部機関による監査、サポートシステムのチェック、投資家の資産管理に関するチェック、資本金などなど、色々な条件をクリアする必要があります。
特に「入金・出金」についてはとても厳格であり、これらについて少しでもグレーな部分があると、金融ライセンスを剥奪するケースがあるとされています。
したがって、FCAの金融ライセンスを持っているFX業者の信頼性は極めて高いと言えるでしょう。
2.キプロス
キプロスの監視機関は「CySEC」であり、イギリスのFCAに負けず劣らずの厳しい審査をすることで知られています。
もともとCySECの規制は厳しかったのですが、2016年からはさらに強化されました。
- ゼロカットシステム(証拠金以上の損失部分を補填するシステム)を完備して投資家を守ること
- 基本的に翌日までに出金処理を済ませること
また、CySECの金融ライセンスを持っているFX業者は、「FX業者としての経営資金」と「ユーザーから預かっている資金」を切り離して管理しなければなりません。これは「信託保全」とは違うのですが、毎年「クレーム状況」「サポートシステム」「資産の内訳状態」などを報告する義務があるので、信頼性はとても高いと言えるでしょう。
3.ニュージーランド
ニュージーランドの監視機関は「FMA」です。
2010年以前のニュージーランド金融ライセンスの規制はかなり甘く、名ばかりの金融企業にさえ金融ライセンスを発行していたと言われています。しかし、ニュージーランド証券取引委員会が管轄していた金融企業が2010年までに破綻したり、個人投資家が理不尽なマイナスを被ったりして、数多くの厳しいクレームが入りました。
そこで、2011年にFMAが誕生。この時点で信頼性は高くなりましたが、今では監督機関の再編成が行われ、さらに規制が厳しくなりました。これによってFMAの金融ライセンスを剥奪された海外FX業者も少なくありません。
以上の3つのうちのどれかの金融ライセンスを持っているFX業者は非常に安全であると言って良いでしょう。
FXの金融ライセンスに関する注意点
- FSPRについて
- 「緩い金融ライセンス」でも安全なFX業者もある
- 虚偽に注意
1.FSPRについて
「金融事業者であることを登録して管理するグループ」である「FSPR」というものがあります。FSPRに登録するのはある基準をクリアすれば良いだけなのでかなり簡単な部類です。
もちろんFSPRは「ニュージーランドのFMAおよびその金融ライセンス」とは全く関係がありません。FSPRと金融ライセンス自体に一切関係がありません。にもかかわらず、なぜか「ニュージーランドの金融ライセンスはFSPRであり、簡単に取れる!」などという誤解をしている人が少なくありません。そういった声に惑わされないようにしましょう。
2.「緩い金融ライセンス」でも安全なFX業者もある
「緩い金融ライセンスしか持っていなくても、厳格な体制で事業を進めているFX業者」もあります。
また、国内FX業者のように「最大レバレッジ倍率が低いなど、それほど『ユーザーのリスクが高く成り得るサービス』をしていないFX業者」の場合、「無理に厳しい金融ライセンスを取って、ユーザーに安全性をアピールする意味が薄い」という側面もあります。
ですから、必ずしも「緩い金融ライセンスしか持っていないから、すなわち危険」というわけではありません。
もちろん「緩い金融ライセンスしか持っておらず、本当に危険」というケースも少なくありません。
特別な事情がない限りは、
- 多くのFX投資家が利用している厳しい金融ライセンスを持っているFX業者
- そうでなくても運営歴が長くて信頼できるFX業者
を利用しましょう。
3.虚偽に注意
たとえば、先ほど紹介したFSPRしか持っていないのに、「FSPRという金融ライセンスを持っているので安全です!」などと謳っているFX業者が稀にあるので気を付けましょう。
また、「この金融ライセンスを持っています」と、本当は持っていないのにウソをつくケースもないわけではありません。そういったFX業者はほぼ間違いなく無名で得体の知れないところですから、金融ライセンスの事を置いておいても利用したいと思わないでしょう。
「虚偽もある」という事を頭の片隅に入れておきましょう。
参考:主要海外FX業者の金融ライセンス獲得状況
会社名 | 金融ライセンス名 |
XM | 英国金融行為監督機構(FCA)、MiFID(欧州金融商品市場令)、キプロス証券取引委員会(CySEC)、セーシェル金融庁(FSA) |
TITAN FX | ニュージーランド証券投資委員会(NZFSP) |
AXIORY | ベリーズ国際金融サービス委員会(IFSC) |
FxPro | バハマ証券委員会(SCB)、ドバイ金融サービス機構(DFSA)、英国金融行為監督機構(FCA)、キプロス証券取引委員会(CySEC) |
GEMFOREX | モーリシャス金融ライセンス(GB21026537) セーシェル金融ライセンス(SD116) |
複数の金融ライセンスを持っているところは特に信頼できます(もちろん単独の金融ライセンスでもほぼ問題ありません)。
まとめ:金融ライセンスを持っているFX業者を選ぼう!
以上国内FX業者・海外FX業者における金融ライセンスについて解説しました。
- 金融ライセンスのない国内FX業者、海外FX業者は論外
- 金融ライセンスにもランク(のようなもの)がある
- イギリス、キプロス、ニュージーランド辺りの金融ライセンスは特に信用できる
- 「金融ライセンスを持っている」という虚偽に注意
- 「緩い金融ライセンスしかない=ハイリスク」とは言い切れないがあえて選ぶ必要はない
FXはお金が絡むものですので、安全性・信頼性の高いFX業者を選択するようにしましょう。
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1,000倍 | 可能 | あり | 可能 | 20% |
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- 金融ライセンスを取得しているが、比較的簡単に取れる金融ライセンスなので少し不安
- 感覚的にNDD方式でなくDD方式だと思う。気になる人は別の業者のほうがいいと思う
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オーストラリア生まれの中堅海外FXブローカー
広告を出さず、あまりキャンペーンも派手に行っていないこともあって、日本国内ではあまり知られてはいませんが、約定力や低スプレッドを武器に展開、堅実な運営を行っている業者の一つです。
2020年には公式サイトが日本語対応となったほか、2021年6月には取引条件やサービスを刷新するなどリニューアルが行われており、徐々に知名度が上がりつつあります。スプレッドが狭く安定していることや短期売買に特化した取引ツール「cTrader」が導入されていることなどから、中・上級トレーダーの中でも特に短期トレードを目指すスキャルピングトレーダーに向いているでしょう。
最大レバレッジ | スキャルピング | ゼロカットシステム | 自動売買EA | ロスカット |
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500倍 | 可能 | あり | 可能 | 20% |
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- プラットフォームでMT5が使えないのは少々残念