FXトレードにおけるキャリートレードは稼ぎやすいのでしょうか?
今回は、FXのキャリートレードについて解説していきます。
目次
FXのキャリートレードとは?
キャリートレードは、他のトレード形式(デイトレード、スキャルピングトレードなど)に比べると知名度が低いかもれません。
このキャリートレード、
広義では「資金繰りにかかる費用を超える運用収益を継続的・安定的に得られるトレード」のことを指します。
そして、FX的な意味では「政策金利の低い通貨で集めた資金を、政策金利が高い通貨に換えるトレード形式」のことを指します。
FXの場合は「スワップポイントで稼ぐ」のがメインとなります。
FXのキャリートレードで重要なことは?
FXのキャリートレードにおける重要なポイントは以下の通りです。
- 金利差が大きい通貨を狙う
- 金利差だけは判断できない
- レバレッジ倍率を上げる
詳しく見ていきましょう。
1.金利差が大きい通貨を狙う
キャリートレードはおおざっぱに言えば「金利差で稼ぐ」ことになるので、金利差が大きい通貨を狙う必要があります。
2.「金利差の大きさ」だけでは判断できない
金利差は、いつまでも一定であるとは限りません。将来的に小さくなってしまう恐れがあります。
そのため、ある程度の段階で買い替えるキャリートレーダーも少なくありません。
3.レバレッジ倍率を上げる
キャリートレードは、通常の「購入時のレートと売却時のレートの差によって利益を出す取引」と比べると、利益が小さくなりやすいです。そのため、レバレッジ倍率をできるだけ上げたトレードをすることがおすすめです。
そのためにも海外FXを利用しましょう。
国内FXのレバレッジ倍率は最大でも25倍までです。しかし、海外FXはレバレッジ倍率を数百~数千倍にすることも可能です。
もちろん他のFX戦略との兼ね合いで「レバレッジ倍率を1~10倍くらいにしたい」ということもあるかもしれません。その場合は、その時にレバレッジ倍率を下げればいいだけですので、海外FXを使っていても全く問題ありません。
最近のキャリートレード事情
「円と他の通貨の組み合わせ」のキャリートレードとしては、平成19年頃が最も盛んだったと言われています。
この時期の日本円の政策金利は0.5%前後であり、オーストラリアは6%、ユーロが4%、ドルが5%程度となっていました。この金利差を利用して、キャリートレードで稼ぐトレーダーが多かったわけです。
その後、リーマンショックなどの影響で色々な国の金利がダウンしたため、「日本円との金利差」もダウンし、円と他の通貨によるキャリートレードはやりにくくなりました。
ですが、最近のFX業者の中には「政策金利の高いマイナー通貨「トルコリラ」「南アフリカランド」などを扱うところが増えてきました。そのため、やろうと思えばいつでもキャリートレードができるのです。
とはいえ、新興国通貨は金利が高いですが不安定なので、注意していないと一気にマイナスとなる恐れもあります。
FXのキャリートレードはやるべき?やらないべき?
結局のところFXのキャリートレードに挑戦すべきなのでしょうか?
実はあまりおすすめしません。
「キャリートレード自体がものすごくダメ」というわけではありませんが、「他にももっと稼ぎやすい・やりやすいトレード形式がある」のです。
それらについて、いくつか見ていきましょう。
- デイトレード
- スキャルピングトレード
- スワップポイント狙い
- EAの使用
1.デイトレード
デイトレードは、「その日のうちに買って、その日のうちに売る」という形式のトレードです。
- ポジションを持ち越さないから精神衛生上良い
- 短期予想ができればいいのでファンダメンタルズ分析は基本不要
- スワップポイントの事を考えなくていい
といったメリットがあります。
FX初心者はまずデイトレードに挑戦すべきだと考えています。
2.スキャルピングトレード
数秒~数分で完結するトレードのことをスキャルピングトレードと言います。
1回や2回程度では大した利益にならないので、1日に何回も行います。
- すぐ結果が分かるためモチベーションが続きやすい
- 「今日は時間がないから20分だけやる」なども可能
- ポジションを持ち越さない
といったメリットがあります。
テクニカル分析が上達すると、スキャルピングトレードで稼ぎやすくなります。
ただし、高い集中力や判断力、そしてFXへの慣れが必要なため、FX初心者の方にはあまりおすすめしません。FXトレード中・上級者であれば一度はチャレンジしてみるのも良いでしょう。
3.スワップポイント狙い
スワップポイント狙いの手順ですが、
- スワップポイントがつく前のタイミングで金利差の大きい通貨ペアを買う
- スワップポイントを獲得する
- 場合によっては買う・売る
という感じです。
もちろん「売り買い」もするのでそこで損をしないようにする必要があります。きちんと戦略を練って、順調に行けばスワップポイントだけで生活する事も可能です。
さて、「スワップポイント狙いなら、キャリートレードとは変わらないのでは?」と感じる人もいるかもしれませんが、
スワップポイント狙い:状況に応じてすぐに売る
といった具合に2つには明確な差があります。
4.EAの使用
EAとは「自動売買ツール」のことです。
EAを利用すれば、設定した通りに自動で売買を進めてくれますが、キャリートレードのように長期的にポジションを持ち続ける取引形式ではあまり意味を成しません。
しかし、スキャルピングトレードやデイトレードにように、取引頻度が多くなるトレードに関しては、絶大な効果を発揮する場合もあります。
とはいえ、国内FX業者に関しては、EA使用を禁止しているところもあります。中にはスキャルピングトレードもNGとしている業者もあります。
海外FX業者については、多くの業者でEAを使用することが可能です。スキャルピングトレードも可能なところも多いです。
まとめ:FXのキャリートレードはおすすめしない
以上、FXのキャリートレードに関して紹介しました。
- 金利差が稼ぐトレード形式
- 2~3か月ポジションを持ち続けるのが普通
- レバレッジ倍率を上げて利益を上げる
などがキャリートレードの基本戦略となります。
しかし、
- デイトレード
- スキャルピングトレード
- スワップポイント狙い
- EAを使う
など、キャリートレードよりも他の手法のほうが稼ぎやすいものもあります。
「FX キャリートレード」などで検索しても、別のトレード形式に比べてあまり情報が出てきません。
つまり、「他を参考にして戦略を立てる」という事がしにくいわけです。
FX初心者はデイトレードあたりから始めることがおすすめです。