バイナリーオプションは株やFXと同じような金融投資のひとつです。株やFXと違い知名度的には大きく落ちるものの、シンプルでわかりやすい投資形態のため、あまり金融投資に頭を使いたくない人には人気となっています。大きく利益を出すタイプの投資ではないため地味な印象のあるバイナリーオプションですが、頭を使わないで投資が勝てるほど世の中は甘くありません。バイナリーオプションもしっかりと為替について学んだ上で行わなければ、勝つことは非常に難しくなります。
今回は、そんなバイナリーオプション取引を行うメリットについて見ていきたいと思います。
目次
バイナリーオプションについて
バイナリーオプションとは、通貨ペアの為替レートが一定時間経過した後、目標レートより上がるか下がるかを予想する取引のことを言います。バイナリーオプションとは実は造語で、「バイナリー」は二進法のことを指し、0か1かで表現されます。「オプション」とは、オプション取引を言います。これは決まった日時に決まった値段で購入または売却する権利を売買する取引を意味します。いつ何時に「〇〇円で購入する権利」を売買しているのがバイナリーオプションです。
バイナリーオプションの取引形態
バイナリーオプション取引は以下のようなステップで進んでいきます。
ステップ1. 通貨ペア選択
取引を行う際、市場で変動する多種多様な通貨ペアから一つを選び出します。「USD/JPY(米ドル/円)」「EUR/JPY(ユーロ/円)」「GBP/JPY(ポンド/円)」など、選択肢は豊富です。これらの取り扱いペアは、バイナリーオプションを提供する業者によって異なる場合があります。選択について不確かさを感じる場合は、高い流動性と親しみやすさを持つ「USD/JPY(米ドル/円)」を選ぶと良いでしょう。
ステップ2. 一定時間後の為替レートを選択
次には、以前に選んだ為替ペアが将来的に価格が「上昇するか」「下降するか」を推測します。取引を速やかに完了させたいなら、判定期間を1分または5分と設定することが推奨されます。一方で、もっと落ち着いて取引を進めたい場合は、30分や1時間のような長めの時間設定を選ぶこともできます。
ステップ3. チケット購入
通貨ペアを決めて値動きの予測を行ったら「上がる」か「下がる」かのチケット購入を行います。自由に金額設定は可能です。チケット購入をもって取引スタートとなります。
ステップ4. 取引結果確定
チケットを購入してから判定時刻が経過すると取引結果が出ます。ここで「上がる」「下がる」の値動きが当たったかどうかが自動判定されます。
ステップ5. 支払い
取引で価格予測が正しい場合、投資した額に加えて利益が得られます。反対に予測が外れると、利益は得られず投入した金額を損失として計上し、その取引は終了します。
バイナリーオプションのメリットについて
バイナリーオプションは非常にシンプルな取引形態です。それがゆえに多くのメリットを持ち得ています。
そんなバイナリーオプションのメリットには、以下の3つがあります。
- ルールが簡単で分かりやすい
- 少額からスタートできる
- 取引時間が長いものもある
ルールが簡単で分かりやすい
バイナリーオプションは取引ルールが非常に簡単でわかりやすいことがメリットです。目標レートより上がるか下がるかを予測するだけなので、FXや株式投資と比べると非常に簡単なルールとなっています。そのため金融投資の初心者であっても比較的取り組みやすいのがバイナリーオプションの特徴です。
少額からスタートできる
バイナリーオプションは少額から取引スタートできます。いきなり大きなお金をかけることは、リターンも大きいですがそれ以上にリスクが伴います。その点バイナリーオプションであれば、少額から取引可能。1,000円程度から取引ができます。
取引時間が長いものもある
国内バイナリーオプションの場合、金融庁が定めたバイナリーオプション規定により、取引時間は2時間以上と決められています。取引開始時刻から判定時刻までが長いほど、値動きが激しくなる可能性も高く、アクティブな取引が期待できます。海外のバイナリーオプションであれば、短期トレードが可能ですので、30秒、1分といった短い取引もできます。
バイナリーオプションのデメリットについて
一方でバイナリーオプションには以下のようなデメリットも存在します。
- 短期間で大金を稼ぐことはできない
- ギャンブルトレードになる可能性がある
短期間で大金を稼ぐことはできない
バイナリーオプションは、短期間で大金を稼ぐことができるタイプの投資形態ではありません。最大投資金額が決められていたりと、どちらかというとこつこつと利益を積み重ねていくタイプの投資です。FXや株のような金融投資をイメージしている方だと、バイナリーオプションは非常に物足りなく感じることもあるかもしれません。しかし、しっかりとした自己理論の保持や資金管理の徹底により、勝率を高めることができれば、FXや株式投資と比べても十分な利益を出すことができるのがバイナリーオプションの利点です。ですから、一攫千金を狙いたいといった投資を目指している方にはおすすめできません。
ギャンブルトレードになる可能性がある
バイナリーオプションは、やり方を間違えるとギャンブルトレードになってしまう可能性があります。バイナリーオプションは二者択一のどちらかを選ぶタイプの投資形態ですので、カジノや博打のようなギャンブル的な感覚で投資を行ってしまうことが往々にしてあります。熱くなりすぎると資金を使い切ってしまい、市場から退場させられてしまうこともあり得ますので、資金上限を決めてバイナリーオプションに取り組むことが必要です。
ギャンブルトレードを誘発するものとして、リスクをともなう危険な手法の中にはマーチンゲール法や複利運用といったものがあります。
マーチンゲール法とは、バイナリーオプション取引において負けるたびに取引金額を2倍に増やしていくやり方です。倍プッシュとも呼ばれるような手法で、カジノなどのギャンブルでよく用いられます。取引金額を2倍にすれば1回の勝ちで損失を回収できるかもしれませんが、その一方で負けると損失も2倍となってしまいます。理論上はいつでもプラスマイナスゼロにすることは可能ですが、それはあくまで豊富な資金があってのことです。そうでなければ大損につながる手法なため、絶対に手を出さないよう注意しましょう。
また、複利運用とは、1回の取引で出た利益を次の取引時に原資へプラスして再投資する手法を言います。複利運用をすると利益が利益を生んでふくらんでいくため、雪だるま式に短期間でも大きなリターンを得ることができます。しかし、バイナリーオプションにおいて複利運用を行った場合、負けた瞬間に今まで獲得した利益が一瞬で全て失われることになってしまいます。射幸性をあおるような言葉に踊らされてせっかく稼いだ利益を失ってしまえば、意味がありません。バイナリーオプションはそのようなギャンブルトレードに陥りがちな投資手法であることを肝に銘じておきまししょう。