これからFXを始める方にとって、FXの口座開設は非常に重要なポイント。
FXトレードを行う場合には、国内FX業者および海外FX業者の両方で口座開設は可能なものの、FX初心者にとってはたくさんのFX業者もあって選択肢が多く、困惑してしまう人もいるのではないでしょうか?
FXで口座開設するには当然それぞれのメリット・デメリットがあり、自分に合った口座開設をすること一番です。
しかし、メリット部分ばかりに目がいって、デメリット部分を把握せずに口座開設すると後々困る可能性もあります。口座開設する際に気を付けるポイントは、後々『えっ、そうだったの?』とならないよう、デメリットの部分をしっかりと把握しておくことが重要です。
この記事では、
- 国内FX業者
- 海外FX業者
- FX複数口座開設
上記のパターンでFXの口座開設する際のデメリットに焦点を絞り、解説していきたいと思います。
目次
国内FX業者で口座開設するデメリット
まずFXの口座開設を行う際に、最初に検討するのが国内FX業者だと思います。
『日本語のサポートもありそうだし』といった考えだけで口座開設するのは危険です。
しっかり国内FX業者のデメリットを確認しましょう。
国内FX業者はレバレッジが最大25倍まで
FXの特徴は、レバレッジの存在によって少額の証拠金で多額の取引ができる点です。
高いレバレッジをかけるほど、証拠金に比べてより大きな取引ができるため、資金力がない人でも大きな利益を獲得できるチャンスがあります。
ただし、このレバレッジは国内FX業者と海外FX業者でスタンスが大きく異なります。
国内FX業者と海外FX業者の大きな違いは、最大でかけられるレバレッジが国内では最大25倍までに規制されている点です。
海外業者ではこれ以上のレバレッジをかけることが可能で、中には1,000倍を超えるような高レバレッジで取引できるFX業者もあります。
国内FX業者は海外FX業者と比較してみると、総じてレバレッジが低いため、証拠金以上の取引ができる点は同じでも、その割合が低い点がデメリットの一つと言えるでしょう。
各社によって取引ツールが異なる
国内FX業者の多くは独自のツールを用意しており、それを使用してトレードを行う事になります。
それらのツール、一応は日本人が使いやすいように考慮されたツールですが、口座開設したFX業者ごとにツールが異なることが多く、使い勝手が悪い面があります。
FXのトレード手法や攻略法を調べたりする場合、多くの人はWebサイトや書籍に書かれた手法をヒントにする事が少なくありません。
そういったトレード手法・攻略法の多くは、MT4やMT5と呼ばれる世界標準の取引ツールを用いて紹介している事が多いです。
しかし国内FX業者のツールは各社で違いがあるため、チャート表示方法にも違いがあったり、わかりずらかったりします。
またツールによっては、トレード手法や攻略法を実行するのに必要なテクニカル分析を表示する機能がないといった事も珍しくはありません。
そのため、いろいろ学んでも汎用的でなく活用しずらいばかりか、正直利用できないケースが生じる可能性がある点は大きなデメリットと言えます。
国内FX業者最大のデメリット『追証』
国内FX業者を利用する場合、「追証」という大きなデメリットから逃れることは出来ません。
FX業者によっては「マージン」と呼ばれる場合もありますが、これは追加保証金のことを意味しています。
追加保証金とは買建てした銘柄の値下がり、あるいは売建てした銘柄の値上がりによって、証拠金が最低維持率を下回ることによって発生します。
この場合、実際に現金を差し入れるか建玉の一部返済等を行わない限り、全建玉の決済が行われる等の処置が行われることとなります。
簡潔にすると自分の持っていた証拠金以上に損を出してしまい、追加でお金を請求されるようなものです。
FXで多額な借金を背負ってしまったという人がいるのは、この追証があるためです。
追証と呼ばれるこのシステムは、国内FX業者だけに存在する制度であり、海外FX業者では導入されていません。
なぜなら、海外FXには「ゼロカットシステム」という制度があり、自分の資金以上のマイナスが出てしまってもマイナス分がゼロにリセットされ、追加でお金を払わなくてもよいシステムがあるためです。
国内FX業者でFX口座を開設する場合は、常に追証のリスクと隣り合わせになることを覚えておきましょう。
海外FX業者で口座開設するデメリット
続いて海外FX業者の場合を見ていきましょう。
海外のFX業者はゼロカットシステムなど多くのメリットが存在しますが、デメリット部分もしっかりと認識しておきましょう。
スプレッドが大きくなってしまう
海外FX業者で口座開設する時に考慮すべきデメリットとして、「スプレッド」への配慮があります。
スプレッドとは、FX業者から通貨を購入する時と売る時の差額のことです。
たとえば、米ドルを購入する時は1ドル:100円99銭だったのに、売る時は100円98銭になった場合、1銭損してしまいます。
その差額がスプレッドです。
スプレッドはFX業者また通貨によっても異なります。
当然スプレッドが大きければ大きいほど、利益を削られることになります。
国内FX業者の場合、取引量の多い米ドル/円のスプレッドは一般的に0.2~0.3銭になっていますが、、海外FX業者の場合はスプレッドはそれよりもはるかに大きくなっています。
たとえば、海外FX業者の大手である「XM」は、米ドル/円のスプレッドが1.6pips(数値は変動することがあります)になっており、国内FX業者の7~8倍となっています。
取引回数が増えてくると、このスプレッドが大きな負担になります。
出金の際に手数料や手間がかかる
また出金における「手数料」や「手間」がかかる点もデメリットと言えるでしょう。
FX業者で開設した口座のお金を所有する銀行口座に送金する場合は、数百円の振込手数料を取られます。
その他、海外送金手数料もがかかるケースがあります。
出金額が少ない場合(2万円未満など)は1,500円(GEMFOREXの場合)が追加でかかります。
他にも、出金における以下のようなルールが定められており、ルールに従わないと出金ができません。
- 入金方法と同じ方法でしか出金できない。
- 出金可能額は入金額が上限である(銀行送金を除く)。
- 出金は優先順位の定められた手段に従って行われる。
- 取引中における出金額には制限がある。
- ボーナスだけの出金はできない。
以上の様に、出金の際に気を付ける注意点があるため、国内FX業者のように気軽に出金できないといったケースがあり得ます。
国内FX業者に比べ税金が高い
そ例外のデメリットに「課税方式」があります。
国内FXも海外FXも利益は同じ雑所得として扱われますが、税金の計算の仕方が異なります。
国内FXの場合は「申告分離課税」になっており、利益額に関わらず税率は一律20.315%になっています。
一方、海外FXは「総合課税」であるため、給与や事業所得、不動産所得などと合算した所得額に対して税率が決定します。
総合課税は超過累進課税方式が採用されているため、所得額が多くなるほど税率が高くなっていくといった特徴があります。
たとえば、給与所得300万円の人が国内FXで100万円の利益を得たとしても税率は20.315%で済みますが、海外FXの場合は30%にとなってしまいます。
また、国内FXでは「繰越控除」といって、年間合計額が損失だった場合でも、その損失額を3年間の所得から差し引くことができます。
しかし、海外FXには繰越控除という制度が適用されません。
海外FX業者を利用する場合は余分にお金がかかってしまう傾向にあるということを覚えておきましょう。
複数口座を開設する場合のデメリット
FX口座は、複数のFX業者にて口座開設することができます。つまり、10社で口座開設しても何も問題ないということです。
基本的に、複数の口座を持っても、口座開設や維持にかかる費用は無料でその点では問題ありませんが、複数開設によるデメリットもあります。
資金管理が面倒になる
実際に複数口座で取引を行う場合は資金が分散されるため、
どの業者にどの程度の証拠金があり、ポジションをいくつ保有しているかの管理が難しくなります。
ポジションを持っていることを忘れて、含み損が増えている状態でそのまま放置してしまうといったリスクもあります。
また、含み損の拡大で証拠金維持率が低下していることに気づかず、放置することでFX業者側の強制ロスカットにあう可能性もあります。
強制ロスカットになれば、損失が確定します。海外FXの場合残りの資金は守られますが、国内FXの場合には追証が発生します。
確定申告の際の損益通算が面倒
また、FX取引を複数口座に分ける際の大きなデメリットに、確定申告の際の損益通算に手間が掛かってしまうことがあります。
FXの売買取引で得た利益は、当然確定申告をしなければならないといった義務があります。
問題なのは、複数口座で取引をしていた場合、口座ごとに損益を計算して申告をしなければならないという点です。
もし、5つの口座を利用していた場合、その全てを取引明細などと照らし合わせていく必要があるため、1つの口座を利用しか利用していないときに比べれば5倍の手間が掛かることになります。
資金が分散されるため、多く資金が必要
さらにFXを複数口座開設するデメリットとして、相応の資金力が必要となる点です。
口座を複数開設するとなれば、それぞれの口座に資金を分散させなければいけません。
もしも複数のFX業者で口座開設を行い運用していく場合、その分多くの資金が必要になります。
FXをスタートするためには、十分な資金を用意しなければ、十分な運用もできません。
FX口座を複数開設し、運用できるだけの十分な資金力があれば問題ないですが、そこまで資金力がある状態でFXをスタートさせられる人はそれほど多くありません。
つまりFX口座を複数開設して運用していくのは、上級者向けの運用方法と言えるでしょう。
自分に合った口座を開設しましょう
ここまで国内FX業者・海外FX業者・複数口座開設の際のデメリット部分に焦点を当てて見てきました。
口座開設においてはそれぞれにメリット・デメリットがあります。
口座開設のデメリットとリスクを把握した上で、あなたに合った口座開設を行っていくことがFXトレードを成功させる近道です。