FXは手軽に行える投資の一種であることから、これから新たに挑戦しようという人は多いのではないでしょうか。
しかし、FXでは9割の人が勝つことができずに終わってしまうと言われています。
一方で1割の人は安定的に勝ち続け、なかには莫大な利益をあげる「億トレーダー」と呼ばれる投資家も存在しています。
なぜ同じ為替市場で、勝てる人と負ける人が明確に分かれてしまうのでしょうか。
その要因の一つにトレードのルールが確立されているのかどうかということが挙げられます。
目次
ルール作成時のポイント
トレードのルール作成で押さえておきたい、取引ポイントは以下の3つとなります。
- エントリー
- 損失確定の決済
- 利益確定の決済
逆に言えば、FXでトレードを行うタイミングには上記の3つ以外にはありません。エントリーした後に決済を行い、利益が出ていれば利益確定の決済、損失が出ていれば損失確定の決済となります。
1.エントリー
勝敗の大半を決めてしまうのがエントリーです。エントリーポイントを上手に選ぶことができないと、利益を出すことはできません。
その点から、エントリールールをしっかりと作成することが勝つことへの近道といえるでしょう。なかでも、よく言われているのは、「エントリーの根拠」を持つことが重要ということです。
たとえば、「何となく上昇しそうだから買いでエントリーした」とか、「まだまだ下がりそうだから売りでエントリーした」とかではエントリーに根拠があるとは言えません。
「上昇しそうと考えたのはなぜか」ということをしっかりと説明できてはじめて、根拠のあるエントリーを行うことができた、と言えるのです。
エントリーの根拠になる事柄には、以下のようなものがあります。
- インジケーターでシグナルが発生したこと
- 発表された経済指標が良い数値または悪い数値だった
- 株価が下がっている
- リスク要因が出てきた
このようなことを、他人に説明して納得してもらえるのか、ということを念頭に置いておくと、自分がエントリーの根拠を持っているのかいないのかが分かるでしょう。
2.損失確定の決済
これは、いわゆる損切りと言われるものですが、利益確定の決済よりも勝負のカギを握っていると言われています。
FXの世界では、相場から退場せず長くトレードを続けることが大切です。そういう意味で、トータルで勝つためには、損切りを徹底して致命的な損失を出さないことが非常に重要になります。
損切りを確実に実行していくには、明確なルールを決めることが大切になりますが、「損切りの目安となるpipsを決定しておく」ことも大切です。
また、単に損切りpips数を決めるだけでなく、テクニカルなどから損切りpips数が相場にふさわしいものなのかをエントリー前に判断することも大切になります。
たとえば次のようなケースでは、ルールとして決めておいた損切りpips数がそのときの相場にふさわしくないので、エントリーを見送る必要があります。
- 資金管理の面から損切りラインは10pips以内とルールを決定する
- レンジ相場の下限で反発したので買いでのエントリーを考える
- レートが下限を割ると一気に下落すると判断し、損切りを行うポイントはレンジ相場の下限とする
- しかしエントリーしようとしたときのレートは、下限まで15pips程度離れてしまっている
このケースでは、根拠を持って損切りできるポイント(レンジの下限)から現在のレートまでのpipsが、あらかじめ想定した損切りpipsを上回っているので、エントリーを見送る必要があります。
3.利益確定の決済
利食いとも言われる利益確定の決済についてもルールを決めておく必要はあります。ただし、損失確定の決済に比べると、それほど厳格にする必要はないと言われています。
一般的に「損小利大」と言われるように、取引一回あたりの損失は小さく、利益は大きくすることがトータルで勝つためには重要となります。
そのため、利益を伸ばせそうな場合、含み益が出ていたとしても利益確定を急いではいけません。人間の心理的には含み益をすぐに確定してしまいたいと思うものですが、少しの我慢が必要になります。
その我慢を手助けしてくれるのも、やはり根拠です。テクニカル分析やファンダメンタルズ分析の精度を高めておくことが大切です。
利益確定の決済では、事前にある程度決済ポイントを決めておくことは大切です。しかし欲を言えば、エントリー後の相場の変化によって臨機応変に対応できるようにしておくことが必要です。
特にFXの中級者・上級者は、相場の変化を読み取る判断力を身につけておくことを心がけましょう。
トレードスタイルを身につけるということ
FXのマイルールを作るとき大切なのは、トレードスタイルを身につけることです。一般的にFXのトレードスタイルというと、売買期間に応じて決定されます。
トレード手法名 | 売買期間 | 損益pips | 通貨ペア |
---|---|---|---|
スキャルピング | 数秒~10分程度 | 10pips以内 | スプレッドの低い通貨ペアが理想 |
デイトレード | 10分程度~1日 | 10pips~100pips程度 | 何でもOK |
スイングトレード | 数日~数週間 | 100pips以上 | 何でもOK |
ポジショントレード | 数週間~数か月 | 100pips以上 | 何でもOK |
こうしたトレードスタイルによって投資方法は大きく異なります。そのため、ライフスタイルや個人の特性から、それぞれ向いている人や向いていない人がいます。
どれが良いというわけではなく、それぞれにメリットやデメリットがあるので、投資目的や適性から、自分に合ったトレードを見つけることがとても大切です。
スキャルピング
スキャルピングはFXの取引手法の中でもっとも売買期間の短いものです。数分単位、もっと短い場合は数秒単位でトレードを繰り返すことになります。
スキャルピングのメリットは、どんな相場でも利益を上げることが可能であるということです。売買する時間帯を決めていなくても、平日であれば24時間相場にチャレンジできます。
一方でスキャルピングのデメリットは、難易度が高いということです。短期的なフリクション(摩擦)は予測がしづらく、ある意味職人的な技術が必要になります。
デイトレード
デイトレードは10分程度~数時間単位で売買を繰り返す手法です。短期売買ですが、テクニカル分析がハマりやすく、FXだけでなく株式でも人気の手法として知られています。
デメリットについては、トレード中チャートを見続ける必要があるということです。エントリーにしても決済にしても、相場を見ながらタイミングを見計らう必要があります。
スイングトレード
スイングトレードは中長期投資に分類されます。日をまたいで取引を行うため、数日単位で発生する為替変動を狙っていくことになります。
メリットは、常に相場をチェックしておく必要がないということです。指値や逆指値を上手く使うことで、取引に使う労力を最小限に抑えることができるでしょう。
一方デメリットは、短期売買に比べると、急な変動に巻き込まれる可能性が高い点です。
ポジショントレード
ポジショントレードは数週間~数か月単位で売買を行う手法です。ファンダメンタルズ分析が良くハマるため、この分析が得意な人には向いているでしょう。
そのほか、トレードにかける労力が少なくて済む、スワップが貯まるなどのメリットがあります。
デメリットは急激な変動に巻き込まれる可能性があるということで、その可能性はスイングトレードよりも高くなります。
追証の発生リスクをゼロにしたい人は、ゼロカットシステムのある海外FXを利用する手も有効です。
まとめ
今回はFXのトレードルールについて、エントリーと決済のタイミング、トレードスタイルを中心に解説しました。
このほかにも、いつも使用するテクニカル指標、いつもトレードする通貨ペアを選択する必要があるでしょう。
このような自分なりのマイルールを設定し、利益を生み出すことができたら、あとはルールを守ってトレードを続けるだけです。
ルールを確立させるまでは試行錯誤することになりますが、確立してしまえばトレードをスムーズに進められるはずです。