のっけから、「最悪」というインパクトの強いワードに驚いた方もいるかもしれません。
CFD(差金決済取引)は、株式、商品、指数、通貨等の市場を通じて利益を生み出したいトレーダーから非常に高い支持率を集めた投資方法です。CFDは、少ない初期投資で大きな利益を得られるチャンスがあり、一攫千金を狙うトレーダーにとって非常に魅力的なバイナリーオプションです。
しかし、「投資」という世界自体が決して簡単に稼げる仕組みではないことと同様に、CFDで稼ぐことは決して簡単ではありません。特に、CFDの代表格である米国株CFDに関しては、「稼げる」という夢を持ったトレーダーが取引で大負けしてしまうケースも決して少なくありません。
筆者もハイリターンという魅力を感じて米国株CFDにトライしましたが、結構意識しなければならないことが多いと感じています。では、投資をクレバーに行うには、どのようなコツを押さえる必要があるのか。本記事は、米国株CFDで儲けるためのヒントとコツについてご紹介します。
目次
なぜ米国株CFDは最悪と言われているのか
まずは、本記事のタイトルでも挙げている「米国株CFDは最悪」という噂が広がっている理由について解説します。
- そもそもハイリスク・ハイリターンな取引だから
- オーバーナイト金利が発生する
- 特定口座・NISA口座に対応していない
そもそもハイリスク・ハイリターンな取引だから
まず一つ目の理由について解説します。ものすごくシンプルに言うと、「大きな損失を被ってしまう可能性があるから」です。
米国株CFDに存在するメリットであるハイレバレッジを活用すれば高い利益を獲得できますが、裏をかくと大きな損失を被ることになってしまいます。米国株CFDでは最大5倍のレバレッジをかけることができますが、負けてしまった時の損失も比例して大きくなってしまうので、最大レバレッジまでかけることはおすすめしません。
なぜなら、常にハイレバレッジをかけてしまうと追加保証金の入金が必要になったり強制ロスカットになってしまう場合があるからです。ハイリスクである分だけ取引に勝てた場合は大きな利益を得ることができますが、そもそも勝つのが簡単なのであれば、「米国株CFDは最悪」という言葉自体が一人歩きすることはありません。
投資という世界が厳しい世界だからこそ、CFDの勝ちパターン探しに苦戦するトレーダーが多いのです。そのため、米国株CFDでは、高いレバレッジをかけずにローリスク・ローリターンの取引から始めることをおすすめします。
オーバーナイト金利が発生する
もう2つ目のデメリットは、オーバーナイト金利が発生してしまう点です。オーバーナイト金利とは、CFDにおいてポジションを翌日に持ち越した場合、発生してしまう金利のことを指します。特に買いポジションにいる場合は、金利を支払わなければなりません。金利は各国の政策や証券会社によって値が大きく異なるので、たとえ売りポジションにいたとしても、必ず金利を受け取れるとは限りません。
ポジションを保有するだけで、取引を行うだけで金利が発生することは、取引コストをなるべくかけたくない、最小限に留めたいトレーダーにとっては大きなデメリットになり得るでしょう。
特定口座・NISA口座に対応していない
米国株CFDは、特定口座・NISA口座に対応していません。つまり、米国株CFDで得た利益は特定口座・NISA口座以外の口座で管理をする必要があります。特定口座・NISA口座の詳細は下記になります。
特定口座
証券会社がトレーダーの代わりに年間損益を計算し、年間取引報告書を交付してくれる口座
NISA口座
投資した金融商品が値上がりした場合の値上がり益に対する課税や投資した金融商品から発生する配当等に対する課税が非課税になる口座
特定口座は確定申告を不要にできる等、節税対策においてかなり嬉しいメリットが存在しますが、米国株CFDはそもそも対応していないので、特定口座・NISAのメリットを享受することができません。投資で得た利益の管理を特定口座、NISA口座で行いたいトレーダーにとっては、米国株CFDが両口座に対応していないことは大きなデメリットとして働きます。
それでも米国株CFDをおすすめしたい理由
冒頭では、米国株CFDのデメリットについて早々に結論付けました。冒頭からネガティブな内容になってしまいましたが、それでも筆者は米国株CFDの取引をおすすめします。米国株CFDには確かに懸念すべきデメリットがあるのは確かですし、筆者も実体験として体感しています。では、それでもなぜ米国株CFDでの取引はおすすめなのか。詳しく解説していきましょう。
- 日本円から始められる
- 少額元手で大きな取引が可能
- 取引できる銘柄の種類が豊富
- 売りから入ることができる
日本円から始められる
米国株CFD取引の大きなメリットは、日本円で取引を始められることです。何らかの世界情勢が起因して金融危機が発生してしまった場合、米国経済がいち早く回復する可能性が高いので、いち早く回復の波に乗せることができます。
また、米国株のCFD取引では、NYSEやNASDAQなどの取引所の銘柄を利用できるため、銘柄選びの選択肢を広げることができます。投資に慣れていない方がいきなり米ドル、英ドルなどの外国通貨を取り扱うことはやや抵抗を感じるかもしれませんが、米国株CFDはおなじみの日本円に対応しています。これは嬉しいメリットですね。
少額元手で大きな取引が可能
2つめのメリットは、少額な元手で大きな取引にチャレンジできる点です。CFDは、証拠金として元本を証券会社に預け入れることで取引が成立します。証券会社は預かった証拠金を担保として、最大5倍の資金・株式の借り入れが可能になります。
具体例を挙げると、30万円を証拠金として預け入れた場合、米国株CFDでは最大150万円の銘柄の取引が可能です。米国株CFDは、米国株CFDと同様にレバレッジ効果をもたらす信用取引は行えませんが、米国株CFDではより大きなレバレッジ効果を狙うことができます。そのため、少額な元手で大きな取引に挑みたいチャレンジ精神旺盛なトレーダーにはぴったりの投資方法です。
取引できる銘柄の種類が豊富
3つ目のメリットは、取引に対応している銘柄数が非常に豊富な点です。日本の証券会社はCFD以外にも米国株の取引が行えますが、取り扱い銘柄は米国株CFDが圧倒的に多いです。一例として、別銘柄に着目してみましょう。
ネット証券大手として知名度の高いSBI証券の取扱銘柄は3,000銘柄以上ですが、米国株CFDを利用できるIG証券では4,000銘柄以上を取り扱っています。そのため、より幅広い投資対象から米国株投資を選びたい場合は、米国株CFDが理想的な投資方法です。
売りから入ることができる
4つ目のメリットは、取引開始直後より売りからスタートできる点です。CFDは空売り規制さえなければ、買いだけではなく売りから取引をスタートさせることが可能です。たとえ株価が下落してしまっている状況下でも、利益獲得を狙えるチャンスがあります。これらのメリットを上手く使いこなせば、現物取引のヘッジ取引として米国株CFDを活用することが可能です。
結論として、米国株CFDは、大きな利益を得られる可能性を秘めた取引方法です。夜間にポジションを保有すると金利がかかる点、長期保有すると追加支払いが必要となる点、NISA・特定口座は対象外等のデメリットもありますが、そのため、CFDに投資する前に、これらのデメリットを十分に検討し、米国株CFDが自分自身に合っているかどうか、十分な情報を得た上で判断することが重要です。
米国株CFD取引でおすすめの銘柄6選
続いて、米国株CFDで取引を行う際におすすめしたい銘柄について6銘柄紹介します。CFD取引には、様々な取引商品が存在します。まずは以下の3カテゴリー別のおすすめ商品について解説します。
- 商品CFDの場合
- 株式CFDの場合
- 株価指数CFDの場合
商品CFDの場合
商品CFDとは、商品現物を原資産とする取引です。証券会社によっても異なりますが、具体的には金、銀、原油、天然ガス、コーン、大豆等が取引商品に該当します。
金
短スパンで大きな利益を上げたいのであれば、金での取引がダントツおすすめです。金は株・債券等の資産よりも値動きが大きいので、値動き次第では短スパンで大きな利益を獲得できる可能性があります。
一点、金はインフレ時に高騰し、デフレ時には下落するという特性があるので、常時利用するのには向いていません。市場の動きに応じて、上手く取引に利用しましょう。
原油
金以上に価格変動を狙うのであれば、原油もおすすめの商品です。原油は自動車の燃料・プラスチック製品の製造等を始めとして、様々な用途が存在する資産です。景気が良くなれば、原油の需要も高まり、価格も需要に比例して上昇する傾向があります。
しかし原油そのものが値動きが大きく、レバレッジ効果を狙って取引を行うと取引自体のリスクが大きくなってしまいます。原油も金同様、経済状況の活発化をしっかりと見定めて利用することを強くおすすめします。
株式CFDの場合
続いて、株式CFDのおすすめについて解説します。株式CFDとは名の通り、企業の株を購入する投資方法です。売上が伸び、成長率が高い企業に投資することで長期的に利益を得ることができます。
Apple
中長期に渡って利益獲得を狙うのであれば、Appleの株がおすすめです。
ご存じの通り、iPhoneやiPad等が世界で爆発的に広がったことで、Apple社は長期的に成長し続けています。少し乱暴な言い方にはなりますが、Alppleの株を購入して保有しておくだけでも、十分に利益を狙うことができるでしょう。
また、Apple株は世界的に人気が高いので、SNS・ネット上等でも情報収集を図りやすい点も大きなメリットです。
Amazon
安定した投資を行うのであれば、Amazonの株もおすすめです。Amazonはオンラインショッピングを始めとして、動画・クラウドサービスにも進出を遂げており、世界トップクラスの成長率・規模を誇る会社です。
Amazonは時代のニーズにマッチしたサービスを展開し続けているため、今後もさらなる成長が期待できる会社であることは間違いありません。特にコロナ渦による影響によって、オンラインショッピングの活用はもはやスタンダードになっているため、勢いはさらに増していくでしょう。
株価指数CFDの場合
続いて、株価指数CFDのおすすめについて解説します。株価指数CFDとは、一つの取引所や一定の銘柄グループの株価を指数化したものです。
日経225
日本株に投資するなら、日経225を選ぶこともおすすめします。日経225は国内における代表的な株価指数です。東京証券取引所で一部上場している銘柄において、225銘柄を元に構成されています。
日本株はバブル期以降は衰退気味ですので、長期的には売りポジションでの取引が多くなることが予想されます。
S&P500
より安定感を求めるのであれば、S&P500での取引もおすすめの方法です。S&P500は、米国の代表的な株価指数です。ニューヨーク証券に上場している企業のうち、500銘柄の時価総額を平均したものを指します。
リターン率は長期的に安定しており、かつ値動きが比較的安定しているため、投資初心者の方におすすめです。
まとめ
以上、本記事では米国株CFDについて詳しく解説しました。米国株CFDには少額から投資できる点、売りから取引をスタートできる点等、様々なメリットが存在します。
ハイリターンを期待できる非常に魅力的な投資方法であることは間違いありませんが、欲張ってレバレッジをかけてしまうと、その分だけ損失も大きくなるので注意が必要です。また、ポジションによって金利を受け取れるのか?支払う必要があるのか?それによって、取引の勝ち負けは大きく変動します。
さらにCFD独自ののルールも存在するので、「何も知らずに取引を進めていました!」という状態に陥らぬよう、取引に挑む前にしっかりとマスターしておきましょう。CFDを使えば、個別株以外にも、株価指数や商品等の幅広い銘柄に投資することができます。進め方次第では多くのチャンスを掴めることは間違いありません。まだCFDでの投資を行ったことがない方も、このタイミングにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。