FXで勝つためには、それぞれの通貨の特徴について知る必要があります。通貨の特徴についてしっかり理解できれば、大きな利益を上げられるでしょう。
特にXMは国内FX業者にはない最大1,000倍のレバレッジが使えます。通貨の特徴をしっかり理解し、XMで取引をすれば短期間で莫大な利益を得られるはずです。
そこで今回は、米ドルやユーロなど主要通貨の特徴について説明をします。ぜひXMでトレードする際の参考にしていただければ幸いです。
米ドルの特徴とは?
まずは世界の通貨の中心の米ドルについて説明をします。米ドルは世界のすべての取引の9割近くに絡んでいる通貨です。
国際取引の決済に使われる通貨はドルが圧倒的に多く、各国の外貨準備の比重が6割と圧倒的なシェアを占めています。日本の外貨準備ではドルが9割を占めている状況です。
ドルの価値の変動は、世界中の通貨の為替レートに直接影響します。そのため市場では、ドルの価値の変動に直接つながるアメリカについての情報に最も比重が置かれているのです。
例えば米国と日本で、ドルと円それぞれの通貨が上昇するような情報が同時に出たとしましょう。ほとんどの場合、ドル円のレートはドル高円安方向に動きます。なぜならドルの影響の方が大きいからです。そして為替ディーラーはその他の通貨に対してもドルを買います。
各国の市場介入でもニューヨーク連銀の介入が最も注目されています。協調介入も米国が参加するかどうかがポイントになっているのが現状です。
米国が関わらない国際的な取り組みをしても、為替市場に与える影響は限定的になってしまうからです。さらに為替レートに大きな影響与える金融政策にしても、FRBの政策はドルを通して世界中の通貨の動向に影響を及ぼしています。
例えば金融危機の際にはFRBの量的緩和政策の拡大がドル安を促すことで、世界の多くの国の通貨が史上最高値を更新しました。逆に量的緩和政策の縮小の可能性が高まるだけで大幅な通貨安に見られる国が続出したのです。
このように米ドルは世界中の通貨に影響を与えるため、世界中の市場関係者がFRBに注目するのはこのためです。
米ドルの危機はすべての通貨の危機になる可能性がある!
米ドルは基軸通貨であるため、米ドルの問題は直ちに各国の通貨の問題にもなりがちです。変動相場制の下では米ドルが強すぎるのは、各国通貨が弱すぎるということになります。
通貨が弱いと、輸入価格が上昇して、インフレ問題を引き起こす可能性があります。資産も流出傾向になるでしょう。
まさに今の日本がこのような状況です。逆に米ドルが弱すぎれば、各国通貨が強すぎるということになります。
各国通貨が強すぎれば輸出競争力はなくなり、経済成長を鈍らせることになりますし、デフレ作用を及ぼす可能性すらあります。
こうした通貨の強弱と経済への影響の関係は、アメリカ自体にも当てはまります。米ドルの価値の大きな変動は、世界経済の破綻や混乱の要因になります。なので米ドルの価値の大きな変動につながる問題には注意する必要があるでしょう。
米ドルを大きく動かす可能性があるアメリカの経常収支の問題!
目先の雇用統計などには注目しているはずですが、米ドルを動かす本質的な問題についてあまり考えたことがない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
米ドルを大きく動かす可能性があるのは、アメリカの経常収支の問題です。アメリカは慢性的に経常収支が赤字の国になります。
経常収支の赤字は米ドル安要因ですが、それだけの赤字を出しても、海外からアメリカへ資金が順調に流れている限り、米ドル安にはなりません。むしろ米ドル高にすらなることがあります。1980年代前半のアメリカはまさにこのような状況でした。経常収支の赤字を上回る資金が海外から入ったからです。この時はアメリカの金利が高くそれに惹かれて資金が入ったようです。
しかし、アメリカに資金を惹きつける力が乏しくなった場合は、赤字を埋めるのが一気に難しくなります。その時はドルは急落するでしょう。それがまたアメリカからの資本の流出を誘発してドルはいっそう下落することになりそうです。
経常収支の赤字額が大きければ大きくなるほどドルの下落のスピードが速く、下落幅が大きくなる可能性は高まります。そうなると各国の経済は為替レートの変動の影響を調整するのが、かなり難しくなるでしょう。
また、金融危機により急激な経常収支の調整が黒字国と赤字国の間で起こりました。その結果、金融機関は一斉に資金を回収したり、リスクポジションの解消に向かったりしたため、各国の景気は低迷を余儀なくされました。
こうした経常収支の不均衡のリスクは金融危機の前から国際機関などから指摘されていました。そこで金融危機後には経常収支の不均衡の是正をG20で合意しました。
しかし、数値目標では合意に至らず、経常収支の不均衡の問題の解決は不十分なままです。アメリカの景気は回復すれば輸入増加が見込まれ、経常収支の赤字が拡大します。
金融危機によりアメリカの金融機関の相対的な弱体化が見られる中で赤字のファイナンスの問題が再燃する可能性はあるでしょう。
米ドルの今後はどうなるの?
米ドルが基軸通貨として世界ナンバーワンの実力を持つ背景には、米国政府が米ドル高を国の政策として掲げていたことがあります。
クリントン大統領時代、1995年に就任したルービン財務長官は為替相場をドル高に保つ政策、「強いドル政策」を打ち出しました。その後も歴代の米国財務長官は「強いドルは国益」という声明を繰り返しました。
なぜアメリカにとって「強いドルは国益」なのでしょうか。まず米国経済は内需中心で旺盛な個人消費が米国経済を支えています。そして製品の多くは海外から輸入に頼っています。
強いドルであれば輸入品を安く仕入れることができるので、商品の販売価値も下がってよく売れます。また輸入品の値下げに伴って、国民全般に関わる物価も抑えられます。このように強いドル政策はアメリカ国民に大きな利益をもたらしているのです。
その結果、アメリカの輸入量はどんどん増え続け、膨大な「貿易赤字」を抱えることになりました。貿易赤字になれば、米国内のドルがどんどん海外に流出することになりますが、ドル高が続くという安心感から米国外の投資家がアメリカ国債を大量に買ってくれるので、その代金の米ドルがアメリカに流入して貿易赤字の穴を埋めて国際収支が安定する構造になっているのです。
アメリカは貿易赤字に加えて国家の支出が収入を上回るという財政赤字も抱えています。収入の足りない分は、米国債を発行して内外の投資家からお金を借りているのです。
貿易赤字と財政赤字の2つの赤字を指して「双子の赤字」と呼びます。双子の赤字を抱えながらも海外からお金を借りて米国が繁栄し続けられるのはドルが基軸通貨であり強いドル政策が続いているおかげなのです。
強いドルはアメリカだけではなく世界経済にとっても良いことでは?
日本政府は基本的に米ドルが基軸通貨となっている体制を支持しており、外国との決済通貨には米ドルを使っています。
日本経済はアメリカへの輸出依存度が高く、米ドルが強ければ輸出に有利なので、輸出企業の収益を増やし、ひいては日本経済にもプラスになるからです。
日米安全保障条約を背景とした日米同盟重視の姿勢も理由の1つです。これまで日本や中国など多くの国は、アメリカへの輸出に頼って経済を発展させてきました。だからこそアメリカの双子の赤字問題には目をつぶり基軸通貨である強いドルをサポートしてきたのです。
しかし、もしアメリカが強いドル政策を放棄して急激なドル安を進めば、アメリカでは輸入製品の価格が上がり、それに伴って物価全体が押し上げられますから、米国民はこれまでのようなペースでものを買わなくなるでしょう。
さらにドル安によって米国債の魅力が薄まり投資家が米国債を買わなくなり、米国政府の資金調達が円滑に進まなくなります。こうなるとアメリカにとどまらず、世界の経済全体が混乱します。
また世界の様々な取引の決済通貨に使われてきたドルの価値が急落することで、貿易決済や資本取引に大きな支障が出て、世界の経済・金融活動にダメージを与える恐れもあるでしょう。
現在、米ドルが非常に強い状況が続いています。しかし、アメリカは過去にないほどのインフレが進んでおり物価が急激に上昇しています。理由は違いますが、物価が大きく上昇しているので今後世界経済に大きな影響を与えてしまう可能性があるかもしれません。
FXを行う際、日本人の方の多くは米ドル円で取引をしています。米ドル円は取引金額が多く安心感がありますし情報も非常に多いです。しかし通貨分散の観点からドル一辺倒の投資は考えものです。これから紹介するユーロやポンドなどに投資をするのも良いのではないでしょうか。
ユーロの特徴とは
ユーロは、米ドルに次いで第2位の取引量を誇り、貿易の決済通貨や世界各国の外貨準備のための通貨としても米ドルに次ぐ地位を占めています。
ユーロはEUに加盟するヨーロッパ諸国で使われている共通通貨です。EUとは、第二次世界大戦のような悲惨な戦争を二度と繰り返さないよう、ヨーロッパを政治経済的に統合することを目指して設立された国際機関になります。
第二次世界大戦以前、ヨーロッパは世界経済のリーダー的役割を担っていましたが、大戦後はその座をアメリカに奪われてしまい、さらに日本などの大米以外の国々が急速な経済成長を遂げて、ヨーロッパの存在感は薄まってしまいました。
こうした状況に強い危機感を抱いたヨーロッパ各国は、力を合わせて経済力強化に乗り出ました。EU域内の製品・資金の移動などの経済活動に対する規制を緩めたり廃止するとともに、各国が独自通貨を発行していたのをユーロという1つの通貨にまとめました。
通貨の交換という経済活動の障害が取り払われたことで経済活動がスムーズに行われるようになり、ヨーロッパ経済は活性化しました。
その歴史を振り返ってみましょう。まず1998年、ユーロ誕生に先立ってユーロ圏(ユーロ導入している国々)全体の金融為替政策を担当する中央銀行すなわち欧州中央銀行(ECB)が設立されました。
そして1999年、EU加盟15カ国のうち、導入できる経済条件が揃っていたドイツやフランス、イタリアなど11カ国から導入されました。
その後EU加盟国、ユーロ導入国ともに増え、EU加盟国は28カ国、ユーロ導入国はギリシャ、スロベニアなどが加わって19カ国になっています。
- オーストリア
- ベルギー
- キプロス
- エストニア
- フィンランド
- フランス
- ドイツ
- ギリシャ
- アイルランド
- イタリア
- ルクセンブルク
- マルタ
- オランダ
- ポルトガル
- スロバキア
- スロベニア
- スペイン
- リトアニア
- ラトビア
ユーロは3つのメリットを導入国にもたらした
経済力強化という期待のもとに生まれたユーロは、導入国に3つのメリットをもたらしました。
- 貿易取引の活発化
- 企業のビジネスチャンス拡大
- 国際通貨としての役割を獲得
それぞれのメリットについてわかりやすく説明します。
貿易取引の活発化
ユーロ圏内ならどの国との貿易取引でも支払いにユーロが使えます。そのため為替変動リスクや通貨交換の為替手数料が発生しません。
国内で商品を理解するのと同じ感覚で取引できるため貿易が盛んになり、各国の経済拡大につながります。
企業のビジネスチャンス拡大
各国の企業は、国境を気にすることなく、ユーロ圏全体で事業を展開できるようになり、ビジネスチャンスが大きく広がりました。例えばスペインの企業がドイツの銀行からお金を借りてフランスに支店を出すということも可能になりました。
国際通貨としての役割を獲得
従来は、基軸通貨のドルだけが国際通貨としての役割を担ってきましたが、ユーロも第2の基軸通貨といわれるようにドルと同様の力を持ち始めています。
実際ユーロは、導入している19カ国と貿易取引をしている他の欧州諸国を始め、近隣の中東諸国、アフリカ諸国でも決済通貨として広く利用されるようになりました。また各国の外貨準備高に占めるユーロの割合はドルに次ぐものです。このようにユーロの力が止まれば、ユーロ圏自体の世界経済における影響力も上がるでしょう。
なかなかドルを上回れないユーロ
ユーロが力をつけてきたとはいうものの、まだまだ米ドルと肩を並べるほどでは正直ありません。
外国為替市場における通貨の取引シェアは、日本円を抜いてユーロは2位ですが、1位の米ドルの半分にも達していないのが現状です。
世界的に見ると、依然としてドルの方が圧倒的に信頼性や利便性は高いといえるでしょう。
またユーロ圏の金融・為替政策はECBに委ねられていますが、その難しさが今後の課題としてよく取り上げられています。つまり様々な国がユーロに参加していることから様々な経済状態の国があるということになります。それを1つの金融政策でまとめて物価をコントロールし景気を良い状態に保つのは至難の業です。
また、ユーロ導入国には財政規律(財政赤字は対GDP比3%以内に、政府債務残高は対GDP比60%以内に収める)を守ることが求められています。
しかし、2008年後半以降の債務危機と景気の落ち込みで守れなくなる国が増えました。2010年初めにはギリシャで財政危機が発生し、その後ポルトガルやイタリアなど南欧にも拡大してしまいました。
ユーロは円よりも強い
ユーロと円を比べると、ユーロの方が強いのは明白でしょう。ユーロは様々な課題を抱えていますが、世界から米ドルに次ぐ第二の基軸通貨として期待され、貿易取引の決済や外貨準備に広く使われるようになっています。通貨別の取引シェアでもユーロは円を上回っています。円の流通は日本国内だけですが、ユーロは欧州各国に流通し始めています。
ユーロ円相場の流れを見てみましょう。
ユーロは発足当初、実体経済の成長力が弱かったことから、ユーロ安が続き1ユーロ88円台まで下がりました。その後、2000年9月2日に各国が協調介入を行ったこともあり、ユーロ安に歯止めがかかりました。
2001年9月にアメリカ同時多発テロが起きた頃から米ドルへの信頼感が弱まり、ユーロの第2の基軸通貨としての役割が注目され始めました。2008年7月には170円近くまでユーロ高円安が進みましたが、その後の欧州債務危機などを背景に2012年には94円までユーロ安円高が進行しています。2022年5月現在は1ユーロ140円台で推移しています。
ユーロの今後とは
ユーロの今後ですが、予想が難しいところではありますが、米ドル一強の時代がもし終わるとなれば、真っ先にユーロの力が上がるでしょう。
現在、取引量2位の通貨といっても、米ドルに比べ取引量が圧倒的に少ないので影響力は正直あまりありません。
しかし、これだけグローバル経済が当たり前になっている今、米ドルだけが強い時代は終わるかもしれません。通貨分散の観点から見てもユーロは保有しておくべき通貨でしょう。
ただし、最近はユーロの値動きが非常に激しいので、FXで保有する場合は、証拠金維持率に細心の注意を図る必要があります。
イギリスポンド
イギリスポンドは、取引量が米ドル、ユーロって日本円に次いで4番目に多い通貨になります。
現在の基軸通貨は、米ドルですが、19世紀後半まではイギリスの通貨であるポンドがその地位についていました。
イギリスは18世紀の産業革命以降、世界経済をリードしてきましたが、第二次世界大戦後は経済が衰え始め、経済が急成長したアメリカのドルに基軸通貨の座を明け渡したのです。
イギリスは1973年にEUに加盟していますが、ユーロは導入しませんでした。さらに2016年6月にイギリスはEUから離脱しました。なぜイギリスはEUから離脱しユーロの導入をしなかったのでしょうか?
まずは、EUから離脱した理由について説明を出ます。EUから離脱した理由はたくさんありますが、主な理由は3つに集約されます。
- 独自の金融政策を手放したくない
- ユーロ導入の義務がない
- ユーロ導入条件を満たしていない
イギリスがユーロに加入しなかった理由についてわかりやすく説明をします。
独自の金融政策を手放したくない
イギリスはとても主権を重んじる国なので、伝統のある自国の通貨ポンドを捨てて金融政策を欧州中央銀行に決められることに抵抗がありました。導入するかどうかは国民投票で決まりますが、やはり反対意見が多く見送られたという経緯があります。
ユーロ導入の義務がない
EU加盟国が基本的にEMU(経済通貨同盟、ユーロを導入する国が入る組織)に参加しユーロを導入する義務がありますが、イギリスとデンマークは初期の加盟国の特権として、適用除外規定の対象国になっていて、ユーロを導入する義務がありませんでした。
ユーロ導入条件を満たしていない
ユーロを導入するためには、財政赤字や国の借金を減らし、自国通貨の価値の大幅な変動をなくす義務がありますが、イギリスポンドはそうした条件をクリアしていません。イギリスが相当厳しい財政金融政策を実施すれば導入条件はクリアできるでしょうが、その努力を行うほどの価値をユーロに乱さなかったようです。現在もイギリスポンドは値動きが激しい先進国通貨として非常に有名でかつ非常に人気があります。
ブレグジットについて
イギリスは2016年6月23日に行われた国民投票でEU離脱の道を選択し、ユーロ導入の可能性はなくなりました。国民投票は、EU離脱か残留の二者択一で行われ、離脱賛成が51.9%、残留賛成が48.1%と非常に拮抗した結果になりました。イギリスのEU離脱は「ブレグジット」とも呼ばれ、2016年の大きな話題の1つになりました。
EU離脱は非常に大きな経済的ダメージをもたらすと政府が警告していたにもかかわらず、EU離脱派が勝利した理由の1つには、イギリスは主権を重んじる国なので主権を取り戻せという離脱主張に多くの国民が共感したことが挙げられています。
EUに権限を委ねることに強い抵抗感があるのです。
また、過去最高を記録した移民の問題も要因の1つであると分析されています。旧東欧諸国から多くの労働者が入国し、イギリス国民の雇用が脅かされているという危機感が強まっていました。
イギリスポンドの特徴
イギリスポンドは、ドルやユーロなどに比べると取引量が少ないですが、大口取引が多いため、先進国通貨ながら値動きが激しい通貨として有名です。
イギリスポンド日本円相場は、2003年半ばから2008年初頭までは円安ポンド高傾向でした。2007年7月には1ポンド251円を記録しています。
しかし2008年後半の金融危機で景気が後退し、2009年1月には一時、1995年4月の史上最安値を14年ぶりに更新し、1ポンド=118円台の円高ポンド安になりました。
また、ブレグジットは想定外の結果だったため、為替相場に大きな衝撃を与え、急激なポンド安円高を招きました。6月24日に離脱派が優勢なことが判明すると1ポンド160円だった為替レートは一気に133円台になり、なんと27円もポンド安円高が進みました。この間のドル円相場の変動幅は3円程度だったのでまさに値動きが激しい通貨といえるでしょう。
イギリスポンドの今後
2022年5月現在のイギリスポンドの為替レートは163円台です。ほかの通貨も円安が急激に住んでいる影響もありイギリスポンドもボンド高円安が続いている状況になります。
円のの投資妙味は薄れてきており、今後さらにイギリスポンドの値段が上がるのは十分考えられるでしょう。
こちらもユーロ同様、米ドルだけではなくポンドも保有し、通貨危機に備える必要があるのではないでしょうか。
スイスフラン
スイスフランは世界で最も安全で安定した通貨として広く認められています。理由は皆さんご存知の通りスイスの中立性です。
欧州の中心部に入るスイスは、日本の九州くらいの面積の小さい国ですが、永世中立国として独自の地位を保っています。
永世中立国とは、多国間で戦争が起きたとしても、自国は常に中立の立場であることを宣言し、その中立は他国から保障されている国になります。
当然EUにも加盟せず、政治経済的に中立を保つ姿勢を貫いています。投資家の中でも特に富裕層は、戦争やテロなどが起きて政治経済情勢のリスクが高まると、資産を増やすよりも守りに走りがちです。
そのため世界的に政治経済情勢が不安定になると「有事の通貨」としてスイスフランが買われるようになりスイスフラン高となります。
この傾向が強くなったのは2001年9月のアメリカ同時多発テロ以降です。再び米国本土が狙われのではないかという恐れが広まったことで有事のドル神話が弱まり、それに取って変わったのがスイスフランと金でした。
したがって世界的に政治経済情勢が不安定になると、結果として「スイスフラン高」「金価格高」になる傾向があります。
ところで中央銀行であるスイス国立銀行は2009年3月に「スイスフラン売り外国通貨買い」の市場介入を始めました。デフレによる景気低迷を防ぐため、スイスフランを売って市場に流すことで、世の中に出回るお金の量を増やすのが目的です。
先進国は過去の教訓から、自国通貨を切り下げるような動きを自重していますが、スイスは唯一の例外でした。
さらにスイス国立銀行はスイスフラン高を防ぐため、2011年9月6日にユーロスイスフランの為替レートの下限を1ユーロ= 1.2スイスフランに設定。この水準を守るため、無制限の市場介入を行うと発表しました。
ところが、この為替レートの上限をスイス国立銀行は2015年1月15日に突如撤廃、これがスイスフランショックと呼ばれる大混乱を巻き起こしました。
市場参加者のユーロ売りスイスフラン買いの勢いに対抗して、上限レート維持するのはもはや不可能とスイス国立銀行が判断したとみられています。
スイスフランは各通貨に対して大きく上昇し、スイスフラン円相場は一時1フラン115円台から162円台までおよそ47円急騰しその後、乱高下し大荒れの状態になりました。
このスイスフランショックによって莫大な追証を負っててしまった方もいらっしゃるでしょう。
2022年5月現在スイスフラン円は135円台で推移しています。今後も永世中立国としてどのような動きをするのか非常に注目される通貨になります。
XMは多様な通貨ペアで取引ができる
いかがでしょうか、今回は先進国通貨ペアの特徴について説明をしました。国内FX業者でも、もちろん先進国通貨ペアの取引は可能です。
しかし、海外FXに比べると通貨ペアはかなり少ないのが現状になります。その点、日本で最も人気のあるXMを使えば多様な通貨ペアに投資が可能です。
今回紹介した米ドルやユーロ、イギリスポンド、スイスフランの取り扱いはもちろんありますし、様々な通貨との組み合わせがあります。FXで勝つためにはどの通貨ペアを選ぶのかが非常に重要です。
通貨ペアの特徴をしっかり理解することがFXで勝つための最も有効な道なのかもしれません。
様々な通貨ペアの利用ができ、ゼロカットシステムを導入しているXMで取引するのは非常に合理的であるといえるでしょう。
まとめ
今回は、先進国通貨ペアのそれぞれの特徴について説明をしました。先進国通貨ペアはメキシコペソがトルコリラ、南アフリカランドなどの新興国通貨に比べ値動きは比較的安定しています。
しかし、イギリスポンドやスイスフランなどのように一時的に大きく乱高下した通貨は山のようにあります。また、米ドルやユーロなど超メジャー通貨であっても乱高下しないとは限りません。
雇用統計などの目先の情報はもちろん重要ですが、長期的に安定して利益を上げるためには、それぞれの通貨の歴史や背景をしっかり理解するのは非常に重要です。
ぜひ今回の記事を参考にしていただき、先進国通貨の特徴についての理解を深めていただければ幸いです。