カナダドルの取引量は、米ドル・ユーロ・日本円・イギリスポンド・オーストラリアドルに次ぐ世界第6位の通貨です。
しかし、カナダドルは日本ではあまりなじみのある通貨ではありません。カナダドルよりも取引量が少ないニュージーランドドルやメキシコペソ、トルコリラなどのほうがなじみのある方も多いでしょう。
カナダドルは日本では、マイナーな通貨ですが、リスクに強い通貨として世界的には多くの投資家がトレードしている通貨になります。そこで今回は、カナダドルの特徴や推移・今後の見通しについて詳しく説明をします。
カナダドルが今後上がるのか下がるのか、どういった投資方法が良いのかわかるので、最後まで読んでください。
目次
カナダドルの特徴
まずはカナダドルの特徴についてしっかり理解しましょう。カナダの政治・社会状況について簡単に説明します。
自由党のトルドー政権は、2019年10月の総選挙で勝利し2期目に入りましたが、下院での過半数を失ったことで政策運営は厳しくなっています。
当面は、新型コロナウィルス感染拡大への対処が主要な政策課題となります。G7の一角として世界の政策協調の一役を担い、難民の受け入れなどではリベラルな姿勢を崩さない国としても有名です。
- カナダ
- フランス
- ドイツ
- イタリア
- 日本
- 英国
- 米国
次に、カナダの経済について説明をします。原油生産量、天然ガス生産量ともに世界第4位。飛行機・自動車などの産業にも強みを持ちます。
NAFTA(北米自由貿易協定)の後継であるUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)が2020年7月1日に発行し、輸出の7割強を占める米国との貿易が引き続き核となるでしょう。
カナダは先進国でありながら資源国の側面を持ちますので、原油価格などの資源価格にもカナダドルは影響されます。
重要な輸出品目である原油の価格が下落すると、カナダの貿易は落ち込み、景気が悪化して消費者物価に下落圧力が掛かりやすくなります。
これに対処するためカナダの中央銀行であるカナダ銀行が緩和的な金融政策 すなわち利下げをすると、カナダドルは弱くなる傾向にあります。
また、カナダは貿易の約70%をアメリカに依存しているため、アメリカの経済状況や金利政策にカナダドルは影響されやすいです。
例えば、カナダの金利がアメリカの金利よりも高ければカナダドルは買われやすい傾向にありますし、逆にカナダの金利がアメリカの金利よりも低いとカナダドルは売られやすくなります。
まさに資源価格とアメリカ次第でカナダドルは動くといっても過言ではないでしょう。
冒頭に書いた通り、カナダドルは取引高世界第6位の通貨であるため投機的な動きに左右されにくい通貨として有名です。
ただアメリカに比べると取引は圧倒的に少ないためアメリカ対比で見ると投機マネーに左右される傾向にあります。
では、このカナダドルですが過去どのような動きをしてきたのでしょうか?
次の章ではカナダドルのこれまでの推移について説明をします。
カナダドルのこれまでの推移
カナダドルの2002年から現在までの為替チャートは以下のようになります。
いくつかのタイミングで大きく動いていることがわかりますね。それではカナダドルが動いた代表的なタイミングについて見ていきましょう。
2006年から2008年に急上昇!理由は原油価格の高騰!
チャートを見ていただくと、2006年から2008年にカナダドルが急上昇していることがわかると思います。
理由は原油価格がこの時期、急上昇したからです。
この時期、国際的な原油価格であるWTIが1バレル90ドル台から140ドル台まで急騰したのを受けて、資源国であるカナダドルは、1カナダドル100円台から120円台まで上昇しました。
15年近く経過した今でもこの時のカナダドルの価格を超えた事は1度もなかったのでいかに大きく上昇したかが分かりますね。
2008年から2009年に大暴落!理由は、リーマンショック!
順調に高値を更新していたカナダドルですが、2008年から2009年にかけて大暴落してしまいました。
理由は皆さんご存知の通りリーマンショックです。リーマンショックの影響で原油価格は120ドル台から30ドル台で大暴落しました。
この影響はカナダドルに凄まじい影響を与え、120円台だったカナダドルは一時60円台まで下落したのです。
わずかな期間で半値まで下落してしまうなんていかにリーマンショックの影響が強かったかわかりますね。その後は、原油価格が順調に戻ってきたこともありカナダドルも円安方向に進みました。
2015年に再び下落!理由は原油価格の下落と政策金利の引き下げ
リーマンショックから立ち直り順調に上昇していたカナダドルですが、2015年に再び大きな下落をしてしまいます。
原油は2014年後半から下落基調に入りました。資源国通貨でもあるカナダドルはこの影響をもろに受けてしまったのです。
さらに、原油価格の下落による国内経済の停滞を受けて、カナダの中央銀行であるカナダ銀行が2015年1月に政策金利を引き下げたこともカナダドル安に拍車を掛けました。
その後、米中貿易戦争が勃発したことも影響してカナダドルは大きく上昇することなく2020年を迎えました。
そして、2020年の3月にコロナショックが起き、カナダドルも大暴落してしまったのです。
2020年3月のコロナショックによる暴落
皆さん、ご存知の通り2020年3月のコロナショックによってカナダドルも大暴落をしました。
チャートを見ての通り、カナダドルは一時83円台から73円台で暴落をしました。さらに2020年6月に大手格付け会社はカナダの格付けを下げました。(「AAA」から「AA+」へ)この影響でカナダドルは再び下落してしまったのです。
その後は、チャートの通り比較的順調に値を戻しており2022年5月現在、カナダドルは103円台で推移しています。
いかがでしたでしょうか?カナダドルが動いたポイントについてご理解いただけたでしょうか?
過去の値動きを知るのは投資をする上で非常に大切なことです。
ぜひ過去の主だった値動きについて理解をして今後の投資の役に立ててください。
2022年以降のカナダドルの見通し・予想と3つのポイント
では過去のカナダドルの水について理解したところでこの章では今後のカナダドルの見通しを占う上で大切なポイントについて説明をします。
今後のカナダドルの見通しを予想する大切なポイントは様々ありますが、主なポイントは3つです。
- アメリカ経済の動向…アメリカの株価が今後も上昇することが考えるため、カナダドルにとってプラス材料
- カナダ経済の動向…原油の回復はカナダ経済にとってプラス材料だが新型コロナウィルスの動向私大のところあるため中立
- 政策金利…しばらくカナダの政策金利は上がらなそうなためカナダドルにとってマイナス材料
それでは今後のカナダドルの見通しのポイントについて見ていきましょう。
アメリカ経済の動向
カナダはアメリカと密接な関係がある国です。国土が地続きなこともあり、カナダの貿易の約70%はアメリカが占めています。
このようにアメリカ経済の状況がカナダドルの値動きに直結するのです。アメリカ経済は、皆さんご存知の通りNYダウやハイテク株中心のナスダックが連日のように過去最高値を更新するなど非常に好調な株式相場を形成していました。
しかし、コロナショックから急回復している事は否めず大きな調整が入っています。上昇幅が大きかった分、さらなる下落の可能性もあります。
いつ何が起きても対応できるようにカナダドルで投資する際は余裕資金で行うようにしましょう。
カナダ経済の動向
カナダは、世界でロシアに次ぐ2番目の面積を持ち、天然資源も多く埋蔵されています。
政策金利は決して高くはありませんが、地政学的リスクが薄く政治も安定していることから安定して投資を呼び込むことができました。
経済の中心はサービス業ですが、製造業も盛んで特に自動車産業は有名です。また資源も豊富でオイルサンドはサウジアラビア、ベネズエラに次ぐ世界第3位の埋蔵量を誇ります。
このように、カナダは、資源国でもあることから原油価格などの資源価格の変動によって経済は左右されます。
現在の原油価格は120ドル台で推移していますが、さらなる上昇が見込めるとカナダ経済にとっては大きな恩恵になるでしょう。
そして、新型コロナウイルスの封じ込めが最も重要な課題になります。新型コロナウィルスの封じ込めに成功することができれば体経済は急速に回復するでしょう。
当然、カナダ経済経済が回復してくればカナダドルを大きく上昇することになりますので、カナダドルにとっても新型コロナウィルスは最大の注目点といえます。
政策金利
カナダの現在の政策金利は1.0%と決して高い水準ではありません。
しかし、カナダは2000年代前半に5%を超える政策金利をつけていた時代がありますが、基本的には高金利の国ではないです。
現在のカナダの情勢を考えるとしばらくは利上げも利下げもしないことが予想されます。
よって政策金利がカナダドルに与える影響はしばらくは薄いといって良いでしょう。
カナダドルの投資方法
カナダドルは、他通貨に比べると比較的安定的な値動きをしているので、まとまった資金を一括で投資するのも良いでしょう。
しかし、新型コロナウィルスの影響が続いている今、何が起きてもおかしくはない状況です。
このような状況下でまとまった資金を一括で投資するのは危険と考えざるをえません。
そこでおすすめなのがやはり積立投資です。
毎週や毎月など決められた日に決められた金額を投資することで平均購入単価が安定し長期で見ると大きな利益を狙うことができます。
カナダドルにおすすめの国内FX会社
ではFXでカナダドルに投資する場合、どこのFX会社が良いのか気になる方もいらっしゃるでしょう。
現在、カナダドルのスワップポイントはどこのFX会社も低い状態です。この低いスワップポイントではインカムゲイン狙いの投資はおすすめできないため、必然的にキャピタルゲイン狙いの投資になるでしょう。
ではキャピタルゲイン狙いの投資をする際、何が重要なのか皆さんお分かりでしょうか?
ズバリ重要なのはスプレッドです。スプレッドを考えると、以下2つのFX会社がおすすめです。
- GMOクリック証券
- SBIFXトレード
それぞれのFX会社の特徴についてわかりやすく説明しますね。
GMOクリック証券
GMOクリック証券は、FX以外にも株式取引や投資信託なども利用できる総合証券会社として有名です。GMOクリック証券は、取引コストであるスプレッドも業界最狭水準となっています。
カナダドル/円のスプレッドは、1.7銭と業界内でも狭く低コストで取引が可能です。
為替差益を狙った短期のトレードでは、スプレッドの狭さが大切になってくるので、GMOクリック証券はおすすめです。
SBI FXトレード
SBI FXトレードは、SBIグループが「分かりやすく公正かつ、透明なFX取引を提供するFX専門会社」として設立した会社です。
「業界最狭水準のスプレッド」「業界最良水準のスワップポイント」を強みとしています。
スプレッドにおいては取引量に応じた変動制を採用しており、カナダドル/円のスプレッドは以下で業界最狭水準となっています。
取引数量が少ない場合のスプレッドはトップといえるので、少額取り引きをしたい人には特におすすめです。
取引数量 | 1~1,000 | 1,001~100万 | 1,000,001~3,000,000 | 3,000,001~10,000,000 |
スプレッド | 1.40 | 1.69~18.80 | 249~18.80 | 310~18.80 |
ちなみにSBI FXのカナダドルのスワップポイントは、2022年6月3日時点で1万通貨あたり32円です。
現在のカナダドルの水準では、スワップ狙いの投資は難しいですね。
SBI FXの魅力はスプレッドだけではありません。SBI FXには積立FXというサービスがあります。
SBI FXの積立FXとは、毎日・毎週・毎月などの一定期間に一定の金額を購入していくFXです。決められた日に一定の金額を投資に回すことによって平均購入単価が安定するメリットがあります。
突発的な値動きによるロスカットには注意しなければなりませんが、安定的に投資をすることができる積立FXを利用することができることはSBI FXの大きなメリットといえるでしょう。
カナダドル円の取引はXMがおすすめ
カナダドル円の取引をするのであれば、国内FX業者も良いですが、やはりハイレバレッジが使える海外FX業者の方が良いでしょう。
なぜなら極めて資金効率が高い取引ができるからです。海外FX業者の中でも日本人にダントツで人気があるのはXMになります。
XMはカナダドル円はもちろんカナダドルの通貨ペアが充実していますので万人におすすめできます。
ご参考にXMで取引ができるカナダドルの通貨ペアをまとめました。
- CADCHF カナダドル/スイスフラン
- CADJPY カナダドル/日本円
- GBPCAD 英ポンド/カナダドル
- NZDCAD NZドル/カナダドル
- USDCAD 米ドル/カナダドル
- EURCAD ユーロ/カナダドル
- AUDCAD豪ドル/カナダドル
最大1,000倍のレバレッジを使って、比較的値動きが安定しているカナダドルで大きな利益を狙ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、カナダドルについて詳しく説明をしました。カナダドルは日本人の投資家にはあまりなじみのない通貨ですが、世界第6位の取引量を誇る通貨です。取引量が多いため、トルコリラや南アフリカランドなどの新興国通貨のような突発的な値動きは少ないことが特徴です。
金利は高くない通貨なのでスワップポイント狙いの投資は難しいですが、長期で見ると安定的な値動きも望めることから長期投資に向いた通貨といえるでしょう。
ぜひ今回の記事を参考にしていただきカナダドル投資で大きな利益を出していただければ幸いです。
- カナダドルは「アメリカ経済」「カナダ経済」「政策金利」「原油価格」により影響を受ける
特にアメリカとの関係は密接なのでNYダウ・ナスダックなどアメリカの主要株価指数や中国経済の動向などは注意して見ていきましょう。
- カナダドルは今後上がるとも下がるとも
プラス材料とマイナス材料が混在しているため、上がるか下がるかは明確に言及するのが難しい
- カナダドルは積立投資がおすすめ
現在の政策金利を考えるとスワップポイント狙いではなく、為替も不安定な動きをする可能性があることから、安定的に投資をすることができる積立投資がおすすめです。